将棋界の8大タイトルを若くして独占した藤井聡太王位のタイトル防衛戦第1局
先月の叡王戦でタイトル防衛に失敗し独占陥落も7冠保持の最強王者ですが、
先手番が千日手差し直しとなり不利な状況となりました。



上の画は後手藤井7冠の110手目▲4七角と渡辺九段に王手をかけた局面です。
これは「王手龍取り」がかかっているので、とりあえず先手玉は逃げる一手ですが、
▲3九玉と逃げておけば以下、▽9二角成っと龍を抜かれてもこの瞬間、後手王に最大15手詰めがあります。

▲4二銀成から▽同王なら▲4一金⇒▽同王⇒▲6一飛成で以下簡単ですし、
▲4二銀成に▽同金なら▲2二金!⇒▽同王⇒▲3三銀⇒▽同金⇒▲同歩成⇒▽同王っと清算してから▲2五桂からの詰みになります。

っと言う訳で、この111手目を▲3九玉と引いておけば必勝態勢だった渡辺九段で、実際、プロの解説も▽9二角成⇒▲4二銀成まで差して後手投了、っと言う流れが妥当との見解でした。この▽4七角の時点でAIは渡辺九段の99%だったんですが……



実際に渡辺九段が差した手は▲2七玉
これが大悪手になってしまいました。
▲3九玉と引いておけば、もう後手からまともな王手がかからない局面でしたが、この▲2七玉で状況が大きく変わってしまい……



▽3七歩成が地味に好手!
以下、▲同玉⇒▽9二角成と進みました。



これで遊んでた6九の馬が2五地点に利いてるのが後手としては大きく、▲4二銀成⇒▽同金⇒2二金からの詰み筋が消えてしまいました。これでもまだ先手有利な局面ではあって……



そんな訳で▲4二銀成⇒▽同金⇒▲6一飛成⇒▽4一銀と進んだのが上の画です。
ココから後手王に19手詰めがあったようですが、1分将棋ではプロでも難解で、実際、対局者2名+解説者などプロの猛者でも、この詰みに気づいてたのは藤井7冠だけだったようです。

正着は▲同龍と切ってから▽同金なら▲2二銀から、▽同王なら▲5二金⇒▽同金⇒▲同桂成⇒▽同王っと全て清算した後▲6四桂からの詰みがありました。

この詰み筋に気づかなかったのは仕方ないとして、それなら後手に駒を渡すのは避けたかった渡辺九段ですが……



この▲3二銀が完全に敗着になってしまいました。
この局面でもAI的にはギリギリ先手が有利で、▲5六桂で詰めろを逃れてても先手が勝勢だったようです。



結局、▽同王⇒▲3三金⇒▽同金⇒▲6二龍と進んだのが上の画で、ココで藤井7冠が▽4二銀っと打ってたら大逆転勝ちの完成でしたが……



実際には▽4二金っと、これも実は藤井7冠の大悪手なんですが、これでAIは再び先手の渡辺九段に振れてしまいました。
ココから▲3三歩成⇒▽同王⇒▲3四歩っと打っていればこれは即詰みがあり渡辺九段の再逆転勝ちだったようです。



実際は▲3三歩成⇒▽同王⇒▲4二龍っと切った事でもう、先手玉は必至級の状況にまで陥りましたが、



▽同銀が冷静!▽同王なら危なかったようです。



以下は形作りのようになっちゃいましたが、
▲3四歩⇒▽2四王⇒▲2五金⇒▽1三王⇒▲2二銀⇒▽同王⇒▲3三金⇒▽1三王まで

中々一筋縄でないかないモノですネw

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